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(まずいな…。)
土方は膝を付いた状態で、自分の喉に番傘を突き付ける男を見上げる。一瞬の事で、全く対応出来なかった。
「でさ、早く答えてよ。俺も暇じゃないんだ。」
冷たい銃口が強く押し付けられる。少しだけ目線をずらすと、刀を構えた総悟が見えた。総悟もこの男の速さについていけなかったらしく、苦味を潰したような顔をしている。
「…悪いが、しんらなんて奴知らねえよ。」
「目茶苦茶可愛い娘だよ、絶対知ってるって。」
男は何が嬉しいのか、へらっと笑う。
「だって、俺と神楽の子だもん。」
瞬間、物凄い勢いで、総悟が男に斬り掛かった。
その速さに驚きながらも、その男―――神威は総悟の刀を番傘で受け止める。土方はその隙に神威から距離をとり、刀を抜いた。
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