お迎え

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「結構速いね、きみ。」 目を細めて言う神威に、総悟は低い声で尋ねる。 「あんたが神楽のお兄さんですかィ?」 「なんでお前が“お兄さん”って呼ぶんだよ。まあ、そーだよ。なにきみ、神楽の何?」 “お兄さん”と呼ばれたくなかったのか、神威は不満そうに口を尖らせて言う。それに対して、総悟は恐ろしい程の殺気を放ちながら返事をした。 「神楽に惚れた男でさァ。」 「へぇ、でも神楽は身も心も俺のモノだよ。」 残念でしたーと神威が舌を出して蹴りを繰り出す。ぎりぎりでそれを避けて、総悟は神威から飛びのいた。神威は楽しそうに続ける。 「だって俺神楽監禁したりしちゃったし?身も心もボロボロにして、俺だけを刻み付けてやったし?あ、その時の映像まだ残してて、今もよく見てるんだよね。妹犯すって本当最高だよ。」 好きなだけ話す神威に、総悟はまた斬り掛かる。その眼は血走り、己を失っていた。 「殺してやる!!」 目にも留まらぬ速さで切っ先が神威に襲いかかり、確実に傷を増やしていく。
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