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「覚えて……ない」
『おかしい』六神刀夜の顔からは安易に疑問を抱いてる事がわかる。
「なんでだ?なんで俺は何も覚えていないんだ!?」
六神刀夜は狂ったように叫ぶ。まるで何かに恐れているように。
男は六神刀夜のその言葉を聞いて、にやりと含み笑いをした。
今の六神刀夜にとってはそれも恐れの対象。
六神刀夜はまた叫ぶ。
「な、なんなんだよ!お前は誰なんだよ!俺は何者なんだ!教えてくれよ!恐い……恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い。嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁぁぁああ!!」
六神刀夜は独りで叫ぶ。
そして、男はその姿を面白い物を見るように見る。
新しい玩具を見つけた幼児のように。
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