truth

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夜景の待ち合わせは、 午後6時、だった。 私の家の近くまで、 並木君が車で来てくれるという。 そして、その日までメールの来なかった運営から、 久々の、メール。 「和子ぉ!出かけるのー?」 階段の下から母親の声。 「あ、うん、もうすぐ出るっ」 返してPCのメールサーバをclickする。 …今日だけは飛ばすのやめてよね。 心で祈りながらメールを開けた。 【柊様、 御無沙汰しております。 さて、今回は申しあげておきたい事がございましたので、 ご連絡をさしあげました】 …相変わらずクソ丁寧なメールだな… 【柊様が現在サポートされている、室 総司様でございますが、 現時点において、 前回より1年、経過している状態でございます。 現在、私立高等学校第一学年、 となっておりますので、 お心づもりの方、宜しくお願いいたします】 …はぁ…!? たった1週間で1年? それって室 総司が私を忘れる可能性だってあるわけじゃん! しかもセーラーとかおかしいわけよ。 【柊ですけど、 そんな無茶苦茶なことって】 メールを打っていると、 携帯が鳴る。 並木 悟。 PCを途中で仕方なく切ると、 携帯片手にもう一度口紅をチェックした。
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