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「…じゃあ…やっぱ本気で寝てたのか」
残念そうな温さんの声。
熱のせいで余計に弱々しい。
「あ…あのさっ、
どう考えても釣り合わない気がするんだよね。
歳もさっ、どえらく離れてるし」
それを聞いて、
荒い呼吸で、
それでもニヤッと笑った温さん。
「…聞いてたんだ。
歳の差なんて、カズと総司よりはマシだと思うけど…」
「…な、なんで今室君の話…
だいたい温さんが私と付き合いたいって理由がわかんないよ。
葉月ちゃんはどこ行ったのどこに?」
病人に意地悪だとは思ったが、
29歳崖っぷち。
少しでも時間を無駄にはできん。
「…そこか…」
温さんの口からため息がこぼれる。
…だってそうでしょ…
差別してる訳じゃないけど、
ホストっていうお仕事だし、
そんな人には見えないけど、
お手伝いさん感覚で
女の人と付き合うのだってあるかもしれない。
「…正直言っていい?」
ほらきた…。
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