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「…カズは正直…俺のタイプじゃない」
…で…しょうね…
「…でも…カズがいい」
…はぁ…?
いつの間にか口をぽかんと開けていた。
気づいた温さんが咳き込みながらクスクス笑う。
「…そういうとこ。
俺のどれもリアルじゃない世界で、カズだけがリアルに見えた。
葉月…のことは、あの世界でのことだったって、こっちに戻ってきて気づいた。
気づいた理由は…カズに会ったからだって言っても、きっと信じないよな?」
潤んだ瞳が嘘をついてないのは、
なぜか分かった。
…けど…
「…古い言い方だけど…
電気が走ったんだ。
それだけ…」
またゴホゴホと咳をして、
温さんは苦しげに目をつぶった。
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