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しばらくポーッとしてしまった。
こんな風にきちんと、
何より男の子に告白されたことなんてない。
…これって運命なのかな…
でも…
脳がキュウっとなって、
手首の脈がビビっと動く。
「…返事…あ…すぐには無理か」
温さんの睫毛が僅かに動いて、
訳もなく悲しくなった。
こんな素敵な人の気持ちを退ける理由も…リアルにはない。
振り子みたいに心が揺れて、
「…お願い…します…」
って…言っちゃった?
「…ほんとに…?」
信じられないみたいな、
温さんの瞳。
「…病人に嘘は…」
言いかけた体を、
温さんがふいにギュッと抱きしめた。
…えっ…!?いや…そんな急に…
熱くてどうしようもない腕が
私を抱いてそれから……
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