lovers 温

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「…専属ってのは、 他の客と比べてって意味じゃなかくて… 俺を捨てた母親を捜すっていうバカげた呪縛からの…って意味」 …あぁ…そっか。 温さんがホストをしてる意味って。 「…プッ…、何が呪縛だ? ただのマザコンじゃねーか。 でもってなにか? 大事に持ってる写真の母親と、 柊が似てるとかって言う美談付きかよ」 体を折り曲げ、クックと笑う総司… 「…なっ…室君起きてたのっ!? 寝たふりなんて趣味悪すぎ…」 …うさぎ…の部分も聞いてたんだよね? 恥ずかしさでジンジンと肌がかゆくなる。 「…俺が寝てると思いこんで勝手にくっちゃべってるからだろ? …寝てない。息はしてたけど」 「あのさ… もういいや。とにかく温さんをバカにしないで。 いいわね、室君」 「いいわね、室君」 私の台詞をオウム返しして、 またクックと総司は笑った。 「…似てたら…悪いかよ?」 ふいに聞こえた低い温さんの声。 ビクッとしたのは私だけで、 総司は少しも動じず真顔に戻る。 …てか…ほんとに似てるの…? 「…悪いなんて言ってねえし。 ただ人好きになんのに、母親なんて甘いもん重ねんなってこと。 それじゃあ柊がかわいそうだろ… ちゃんと柊を見てやれよ」 「…誰がいつカズと俺をゴミみたいに捨てた女重ねたよ? 確かに似てるけど、 それは外見だけの話で、 俺はちゃんとカズを見てる」 …またなんだか雲行きが怪しくなってきた…。 こんな時にグースカ寝てるラブさんに腹がたって仕方ない。 爪先を伸ばし、足元にいるラブさんをチョンチョンと突く。 「…うーん…」 寝返りと口のムニャムニャ… えっ、それだけで終わり!? …えいっ…、起きてってばっ
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