544人が本棚に入れています
本棚に追加
…どっちでも…いい…
言ってしまった…。
今日みたいな日、
このまま温さんちに行けば
そうなるかもしれない…ことぐらい、私にだって想像できる。
…でも1人でいたくない。
過去の実家に帰って、
ぐっすり寝ている家族といるような日じゃないって…
そう思った。
「…ほんとに…?」
訊いといて温さんがそう言う。
冷たい真冬の空気を、
スッと一瞬吸い込んだあとで。
「…うん…。」
ギシギシと雪を踏む。
ほんとの気持ち…は、
雪みたいに消えていく。
唇にそれが落ちると、
総司の唇を思い出す。
「…なら俺は…
今日はカズといたい」
温さんが言って、
強く私の手を握った。
最初のコメントを投稿しよう!