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それから、何日か経って
聆怏と話している内に毎日が楽しくなり次第に傷も回復して気がつけば自分の退院の日がもうすぐと迫っていた。
そんな焦りもあり、次の日の昼。
理央は、聆怏に思い切って自分の今までの事を話した。
自殺未遂の事
元カレの事
友達の事。
せめて退院する前に一度話したかったから。
いきなりこんな重い話聞いたら
さすがに引かれると思ったが真剣に聞いてくれた。
すると、聆怏は真剣な顔つきになり
「俺さ、色々あってさ。母親と仲悪くて…。喧嘩すんだよく。俺バカだから、すぐ殴られんだよな(笑)それでまたこの病院来てさ(笑)」
笑い混じりに話す聆怏だが明らかに無理してる。
ここに来て初めていつも明るい聆怏が隠してた暗闇の姿が見えた気がした。
それからしばらく沈黙が続いた。
「後…。。これ、理央に。」
『うん?』
「またなんかあったら俺に何でもいいから話してよ。これ。連絡先だから。」
聆怏の手には
電話番号の書いたメモが握られていた。
『えっ…。いや…。』
「ああ、いきなりごめんな。嫌だったら捨てて良いから。」
そう言って彼は病室に戻っていった。
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