第四章 彼の過去

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聆怏ともうちょっと居たい。 この時既に彼の事を好きという感情が芽生えてたんだと思う。 その日の午後、聆怏の病室に向かった。 が、聆怏はいなかった。 『聆怏?聆怏は?』 何で?さっきまで一緒に話してたのに。 もしかして退院? あたしに何も言ってくれなかったの? まだ話したいこといっぱいあるのに。 よく見ると先生らしき人と看護婦さんにが深刻そうに話し合っている。 慌てて看護婦さんに訪ねた。 『聆怏は何処行っちゃったんですか?』 「それが、さっき宮谷さんのお母さんが来て、聆怏君を無理矢理連れて行ったの。私一人じゃ止めきれなくて…。戸川さんは宮谷君と仲良いの?」 『ああ…はい。』 看護婦さんに色々な事を聞かれたが、そんなの頭に入らなかった。
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