第五章 行方。

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受話器から聞こえてきたのはいつもと変わらない聆怏の声。 「理央?電話かけてくれたんだな(笑)」 理央はとりあえず何も無かったのだと安心した。 『聆怏今どこ?心配したんだよ?』 「ああごめん。また母親が連れてかれてさ・・・。俺今マンション。」 『誰の?』 “まさか。他の女が・・?” 「智也んち。俺の友達だよ。」 『そっか』 友達というのだからとりあえず安心した。 聆怏は友達の家で何とかかくまってもらってるらしい。 理央は一つ思い出した。 お母さんは・・・? 『聆怏・・・?お母さんは?』 「また殴られた(笑)だから智也んちに逃げたわけ。」 聆怏は傷つけられていた。 またしても母親の手で。 友達の家だって母親と面識があればいつかはばれてしまう。 『聆怏?』 「ん?」 自分だってどうすればいいかわからなかった。 だけど、早く聆怏を取り戻したかった。 『今すぐ会える?』 「まだ親がうろついてるからわかんねぇ。」 『じゃああたしが迎えに行く。』 理央は腹を抱えながら病室を出た・・・。
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