第一話 自殺

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あれからどれくらい眠った事だろう…。 夜が明けたのか、 辺りははすっかり明るくなっていた。 …お腹が痛い…。 起き上がろうとした時、腹に激しい痛みが襲った。 『痛っ!!!!』 見ると 流れ出した血が床にまで広がっていた。 恐怖で意識を失ってたせいか、 やっと自分のやっていた事の重大さに気付いた。 " どうしよう…!! " "痛いよ…!!怖いよ…!!やっぱり死ぬのは怖いよ…!!" 言い様のない恐怖が理央を襲う。 理央は必死に手探りで辺りを探し 何とか携帯を掴み、着信履歴からマリに電話をかけた。 《発信中…》 それだけが表示される。 お願いだから出て… マリ… お願い… お願…!! お腹がズキズキと痛む。 “あたし…ホントに死んじゃうんだ…。” “ごめんねマリ…” 理央の意識が薄くなった時、 携帯から声が聞こえた。 「もしもし、理央?どうしたの?こんな時間に。何かあったの?」 理央は必死で助けを求めた。 『っいた…い。』 だめだ。 腹を差したせいで中々力が入らない。 「え…?どうしたの?聞こえない!」 『怖い…よ…。』 どうしよう…声が届かない 何か異常があると知らせなきゃ…。 辺りを見回すと、 水の入ったガラスのコップが床に置いてあった。 幸い精神安定剤を飲んでそのままだったよう。 理央は力の限りコップを壁に投げつけた。 " ガシャン!! " 鳴り響く割れる音…。 腹がズキズキ痛む…。 「理央?あんたまた…!ちょっと待って今外だから!すぐ行くから!」 というと電話が切れた。 早く来て… お願い…。 声が届かない 焦りと共に意識が段々薄くなる。 今までの記憶がフラッシュバックして頭の中に流れる。 あの腐った目…。 私を汚した…。 許されない男…。 所詮男なんてこんなもの…。 もう終わりにしたい…。 だから…。 もういいよね…? 理央は気を失った。
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