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それからというもの、この傷が治るまで入院する事にになった。
マリは部活に忙しく段々お見舞いには来れなくなっていた。
というより、あれほど迷惑かけといて
お見舞いに来てほしいなんて言えなかった。
”ちょっとトイレ行こう…。”
腹の痛みをこらえながら歩くがとても進まない。
無理矢理進もうとするが、倒れてしまった。
『いっ痛い…。』
体を起き上がらそうとした時、
「大丈夫ですか…?」
頭上から声が聞こえた。
はっとして顔をあげると、高校生位の男の子がいた。
「大丈夫そうじゃないみたいなんで、俺ついていきますよ…?」
大丈夫だと何回も言ったが聞いてくれない。
『あの…トイレに…。』
「んじゃあ早く行かないと!ほら、乗って!」
彼はおぶってトイレまで連れていってくれた。
老人じゃないのに…。
理央はトイレに行き腰を下ろした。
トイレごときで他の人に迷惑かけるなんて何やってんだろあたし…。
トイレから出ると、その男の子が待っていてくれていた。
「大丈夫だった?帰りも俺が連れてきますから!」
二回目となるとさすがに恥ずかしい。
『大丈夫です!』
キッパリと言ってやった。
けれど彼は引かない。
結局おんぶされたまま部屋に戻った。
ありがたいけれど、何なんだコイツは。
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