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寝静まった総悟とユウを確認すると、神楽はベッドから抜け出した。今日の昼、大切な二人が面会に来るのだ。総悟とユウには悪いけれど、行かなければならない。蛍光灯に照らされる白い廊下を歩き、患者と親族が面会出来る多目的スペースへ入る。案の定、人目につく銀髪と、冴えない眼鏡が見えた。
「銀ちゃん、新八…。」
小さく呟いたつもりなのに、銀色の頭がこちらを向く。相変わらず朱い瞳は、死んだ魚の目をしていた。
「かぐら?」
「うん…、久しぶりネ。」
そう言ってはにかんだ神楽に銀時は歩み寄り。
「神楽…。」
その細い身体を、腕の中に閉じ込めた。
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