三日月

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真撰組屯所―――そこは重い空気が立ち込めていた。時刻は丑三つ時を迎えたが、神楽は見つからなかった。 「…今日の捜索は終了だ。明日、態勢を整えてから捜索を再開する。みんなご苦労だった。」 土方の言葉に隊士達は解散していく。ただ一人だけ、もう一度街へ出ようとする人物がいた。 「ユウ、行くな。餓鬼は眠る時間だろィ。」 総悟に引き止められ、ユウは彼を睨み付ける。 「あれだけ人を使って捜して、見つかってねェんだ。お前一人出て行っても見つけられねェよ。」 「うるさい、私は行く。」 踵を返し歩き出すユウの手を、総悟が掴んだ。 「ここでテメェまで消えたら事態は悪化するだけだ。」 「じゃあ、何もしないで朝まで待つのか!!??」 怒鳴るユウに、総悟も怒鳴り返す。 「馬鹿野郎、自分の状況考えやがれ!!テメェや神楽は神威に狙われてるだろうが!!」 “神威”の存在を示唆され、ユウは俯く。そんな彼女に、総悟は続けた。 「それに…神楽が心配なのはテメェだけじゃねェんだよ。」 呟き、総悟は空を見上げる。輝く三日月は、まるで彼等を嘲笑っているように見えた。
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