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次の日、学校から帰ると、祖母が座布団袋を縫っていた。
鼻歌を歌っているのは、やはり佐渡の民謡だ。
「ただいま、おばあちゃん」
「おかえり。ほだほだ、みっちゃん、お団子買ってきたけぇ、天狗さまにお供えしに行こ」
「……うん、いいよ」
私は小さな溜め息をついた。
天狗堂に行くのは日課となっているが、天狗などどうでもいい私にとっては面倒な習慣だった。
「すっちゃ、きっと天狗さまはみっちゃんを守って下さるんだ」
祖母は満足そうにうなずいた。
この世とあの世の間に魂を捨てていくようないたずら好きの天狗が、はたして私を守ってくれるのだろうか。
そんなことを考えながら、私はしぶしぶ祖母と手をつないで外に出た。
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