プロローグ

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皐(サツキ)が死んだ。 幼なじみだ。 不幸な事故だった。 なんで、あいつが… 神は何故今まで平凡たる人生なはずだった彼女にこうもひどい運命を与えたのだろう。 あれは昨日の朝だった。 いつもどおりの朝だった。 一つ違ったのは 俺、高木渉(タカギワタル)と 幼なじみの瓜生皐(ウリュウサツキ) が一緒に学校に行かなかったことである。そう、そのただ一つの違いが不幸を招いた。 あの朝彼女は彼女の部屋の窓から俺の部屋の窓に向かって叫んだ。 「わーたーるー!ごめっいま起きたー!!悪いけど先に行っててーっすぐ追いつくからー!」 「はぁ?んー分かったーほんじゃ行ってる」 「ごめんねぇ!!」 最後の会話である。 それで俺を急いで追いかけてたらトラックにばーん。 最後までそそっかしくて間抜けな奴である。 そんなあいつが俺は大好きだった 言えなかったけど。
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