0人が本棚に入れています
本棚に追加
これは一体どういうことだ。
目の前に皐がいる。
死んだはずの皐。
大好きな皐。
でも彼女は死んでいる。これは確実だ。
でも彼女は気付いていないみたいだ。
化けてるってことか?
本人が化けてることすら気付いていないのに?
ちなみにさっきひっぱたいてみたら実体はあった。
謎すぎる。
……けど。
皐が気付くまで、言わないでおこう。
なんたって俺はまだ伝えてない。
皐のことが好きだって。
｢ごめんな、皐。いやぁ…目にゴミ入っちゃってさー、ここまじで砂っぽいのな。お前毎日こんなところでぐーすか寝てたのか？｣
つい皐に悪態をついてしまうのが俺の癖だ。
素直じゃないのは分かってる。
伝えなきゃいけないのも分かってる。
すでに伝えられなかったこととして現実には終わっているのはずなのだけども。
考えるにこいつはいつ消えても多分おかしくない。
ならばその前にラストチャンス。
伝えられなかったことを伝えたということに変える大チャンスなんだ。
そもそもこいつは周りには見えてるのだろうか。
まぁ大方見えてないと予想はしているが、だとしたらただのショックで俺が作り出した幻覚的なのもあり得る。
だが確認するには少々リスクが伴う。
んー。どうしよう。
最初のコメントを投稿しよう！