進級

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発症する能力は千差万別で、いかにも魔法チックなような物もあれば、中にはまったく使えない用途不明な物や、最後の最後まで一体なにがリフォルムなのかわからない能力もある。 ある程度は、種類分けされているのだがな。 どちらかと言うと、俺はそのワケがわからない能力の部類に入るだろう。 自分で決められない点、こればっかりはどうしようもない事だ。 一般的に個人差はあるが、十代前半でリフォルムが発症すると言われており、つまり俺らの歳になれば、ほぼ全員がリフォルムを使えるようになっているはずだ。 今やリフォルムは生活や、身を守る手段として不可欠な物になっている。 ちなみに、俺のリフォルムだが……希望的な観測な目で見ると、運が悪くなったり、良くなったりするとてもワケがわからない能力。 という事で学校には通している。 それが本当に俺のリフォルムによる物なのかさえ定かではない。 "そんなような気がする"ってだけだからな。 大体はカテゴリー別に分けられていて、それに順ずる何かが九割なのだが……。 そんなカテゴリーなんかには掠りもしない。  きっと超希少種で、京平のさっきのセリフではないが、『ヒーローは遅れてやってくる』と信じている。 俺は割と賽銭は多いほうなのだがな…………。 どこをどう間違えたのか。 正直な所、皆と同じような炎ドカーン! や雷ボーン! や水ジャボーン! とかが良かった。 まぁ、しかし発症してしまったんだから仕方ない。 今更覆ることでもないわけだし。 教室内のクラスメイトが、チラホラと談笑を交えながら教室を退出して行く。 気が乗らない腰をあげ、隣にいる京平を連れて教室を後にした。
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