進級

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京平が頭を抱えながらヨロヨロと席に着くと、HRが行われた。 本郷先生が教壇に戻り、空気を一新させるために、わざとらしく一つ咳払いを入れ話を始める。 「えー、二年に進級おめでとう。 知ってると思うがこの学校は二年になったら各々指定されたギルドに入り、そのメンバーの一員として活動してもらうのがおもになる。 後日どこに所属するのか発表するので、各々リフォルムに磨きをかけて置く事……じゃあ出席とるぞ………相沢……」 出席で呼ばれる最中、となりの席である京平が肩を叩き、俺を呼んだ。 「そうなのか!? 知ってたか晴人!!」 鳩が豆鉄砲でも食らったのかのような唖然とした表情で、俺に問いを投げかける。 ……いや、逆に俺が驚く。 「いや……知ってるよ 。 つか、なんでおまえ知らないんだよ」 この学校は二年に上がると、一端の軍人としてどこかの国が建てたギルドの一員として働く事が義務付けられている。 もちろん学業と平行としてだ。 今やこういった国が建てたギルドが無数にあり、せっせとお国のためにこき使われる事になっている。 軍人養成学校ならではなカリキュラムだ。 「………よし、全員いるな。 じゃあこれから競技場にて、二学年第一回リフォルムの測定をする。 準備が出来次第集合じゃ。 遅れるなよ」 生徒達の出席と伝達事項は一通りすませると、本郷先生は教室をあとにした。 俺は自分の手のひらを少し開き、そこに視線を落とす。 リフォルムとは、突如数百年前に大気を覆った謎の元素によって生み出される能力である。科学的にはまだよくわかってないらしいが、脳波に干渉して具現化するとかなんたらかんたら……
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