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そう言い切って、一瞬、由奈は気が狂ってしまったのではないかと考えた。
「やはりか」
しかし、神山が由奈の考えに同意した。
「お前ら何を言ってる! アイツは死んだんだぞ!!」
「だが林道、貴様は高橋の死を疑問には思わないのか?」
神山にそう指摘され、俺は言葉を詰まらせる。
疑問に思わないわけがない。
むしろ、奴が死んだのかどうか俺も疑った。
「家庭の事情があったとはいえ自殺するのはおかしいだろ。
クラスメイトに確認は取ったが、高橋は文化祭のメイド喫茶を成功させようと努力していた。
オカ研だって、発表会を控えていたんだぞ?」
オカ研はともかく……メイド喫茶の方は知っている。
ケーキ屋の紹介は、元を辿れば俺がしたことだ。
「……だがどちらにしろ、奴は死んだんだぞ」
『とか言いながら、君が一番【高橋隆志】という者の死に疑問を感じているのでは?』
「「「ッ!」」」
突如、俺の背後から声がした。
すぐに振り返ると、そこには顔に火傷のある牧師がいた。
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