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ニブルヘイム
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『ガルム、“本気”であの半妖を喰らいなさい』
ヘルがそうエクシアに命令する。
『……御意』
その命令に従い、エクシアは走り出した。
「……エクシア?」
少年は訳も分からず呆然としていたが、右手の剣は自動で迎撃しようとする。
『――グォォォォォッ!』
刀身が振動し、咆哮にも似た音を発した。少年の意思に関係無く、剣の穂先がエクシアを捉える。
「ッ?!」
少年が気づいた頃には、剣は雷撃を放っていた。
雷鳴が轟き、エクシアに向かって雷光が走る。
しかし、エクシアはその攻撃を回避した。
『軌道が単純すぎるぞ』
エクシアは爪を振りかぶりながら少年にそう言った。
「――CONVERT」
白龍の剣が、一瞬で死神のコートに変わる。
イデアで厚い壁を作った。
しかし、その壁はエクシアの爪でいとも容易く破られた。
まるで障子の紙を破るようにあっさりとしたものだった。
『無駄だ』
そのまま少年のがら空きになった懐にタックル
「――ガッ?!」
まるで自動車に跳ねられたかのようにその場から吹っ飛ぶ。
イデアで作った足場に転がり、氷には直接触らない。
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