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倒れたところに、エクシアはさらに追撃を仕掛けようとした。
「クッ!!」
少年はすぐに起き上がり、今度は何重に壁を作り続ける。
エクシアは爪や牙で壁を破ろうとするが、壁を作り続ける少年には届くのに時間がかかる。
「やめろエクシア! こんなのおかしいだろ!!」
『無駄よ』
岸辺にいたはずの少女がいつの間にか少年の背後にいた。
そして壁をつくることで手一杯の少年の耳元に口を近づけた。
『ガルムは私の言葉に絶対に逆らえない。
貴方とガルムの間にどんな絆があろうと、私の言葉の方が大事なのよ』
『ヴォォォォォォッ!』
とうとうエクシアの爪が届く距離に迫った。
「エクシアッ!」
それでも少年は攻撃しない。必死に声を張り上げる。
そしてエクシアは爪を振るった。
爪は隆志の脇腹辺りを抉る動きではあったが、ジャンパーと死神の結界がそれを阻む。
貫通には至らないが、エクシアの体からは想像のつかない怪力に少年の体は再び吹き飛ぶ。
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