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少年side 数日後
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ゼクラの手配で、俺は現代機器の取り揃えられた病院で検査を受けた。
結果、心臓に小石くらいの大きさの物体が癒着していることが判明した。
いや【癒着】と言うより【同化】の方が正しいのかもしれない。
ヘルに埋め込まれた氷は、完全に俺の心臓の一部として機能していたのだ。
取り出すのはもちろん不可能
タイムリミットまでに俺は【雷】とやらを手に入れる以外に生き残れる道はない。
だけど、保険は必要だ。
「3ヶ月以内に、ハイデルの魔具を完成させてくれ」
俺はハイデルの魂を肉体に戻してすぐにゼクラにそう言った。
ゼクラは事情をすべて知り、頷いた。
「任せなさい、2ヶ月で完成させるさ♪」
そう答えてもらえて、俺はホッとした。
意識の無いハイデルの髪を俺は優しく撫でた。
「……いつ起きるかな?」
「流石にそれは僕にも分からないかな?」
ゼクラ曰く、二人とも精神的に半端ない疲労を抱えているから目を覚ますまで時間がかかるそうだ。
そんなわけで、病院から戻ってもまだハイデルもノルンも目覚めない。
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