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―…ガリッ…ガリガリッ…―
ねぇ…気付いて…
アタシはいつもここにいるの
―…ガリリッ…ガリッ―
ほら、今日だって
昨日だって
勿論明日も明後日も来週も来月も来年も三年後も十年後も百年後も永遠、永遠に
―ガリッガリツ…ガリガリッ…―
アナタを
アナタだけを
『おじゃましまーす』
『はい、クッション』
だれ…?
女の…声?
『なんか緊張しちゃうね』
『そんな珍しいものでもないだろうに。今日は予備の歯ブラシで、明日にでも買いに行こう』
まって、まってよ
何の話なの?
アナタが愛するべき相手はアタシでしょ?
『じゃ、台所使うねー?』
『にんじん、ちゃんと下茹でしてくれ。このまえのは少し硬かったんだ』
アタシ以外の女が作った料理だなんて汚らわしいわ!
だめ、だめよ、だめだめだめだめ
―ドンッ―
『な、なになに!?』
『…気にしなくていい』
そう…アタシの愛が足りないのね。
一人ジャ足リナイノネ。
―…ガリッ…―
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