3日目…

2/2
前へ
/71ページ
次へ
11月ペナン島崩壊前日  目が覚めると股の辺りが濡れている。「こんな歳になって…まさか?!」と、ハッとして布団をめくった。が、なんて事はない。ただの亀さんの大病である。  そっとパジャマの中を覗くと、亀さんが血の涙を流していた。  掛かり付けのブラック・ジャック先生なら、500エブリスタコインで完治させてくれる。あまり亀さんのことは気にも止めずリビングへ向かう。と、リビングの表情はいつもと違った。 『君、今日から総理ね』  リビングの表情が何時もより硬く、強張るのも無理はない。いつもの私の指定席には、時の首相・どじょう総理が居たのである。  今日から総理、とどじょうは言うが私は尋ね返した。  ――亀さんが病気でも、国民の支持は得れるのでしょうか?  それに対するどじょうの返答は優しく、愛を感じた。 『大丈夫、藤本くん。私もです』  かくして、どじょう内閣あらため、もしもし亀さん内閣が誕生したのだが、私の初の公務は、厚生労働大臣の小宮山をきっちりカタに嵌める事であった。  私は誓った。煙草の増税だけは阻止してみせる、と……。 完 NEXT⇒米部さんimage=436539211.jpg
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加