第一章 星の命を削る害虫

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都内バー sea:heaven ー21:00- 落ち着いた雰囲気の店内。 ピアノメインの音楽。 「マスター。オレンジジュース頂戴。」 一人の男がカウンター席に座った。 黒と銀の混ざった、首が隠れるくらい伸びた髪。 紫色の瞳。 「ここはジュースショップじゃないですよ。秋羅(あきら)くん。」 マスターが呆れたように秋羅と呼んだ男を見る。 「でもあるでしょ?」 意地悪そうにマスターを見返す秋羅。 「もちろんありますよ。」 そう言ってマスターはコップにオレンジジュースを注いだ。 「ありがとう。」 出されたオレンジジュースに少し口をつける。 「秋羅くん。そんなに焦っては駄目ですよ。」 普通に会話をしているだけなのに、マスターは秋羅の心情を読み取ったかのような言葉をかけた。 「わかってる。」 複雑そうな秋羅の顔。 マスターの読みはあながち外れてないらしい。 「もう行くわ。」 そう言って秋羅は席を立った。 残りのオレンジジュースを飲み干し、ドアへ歩き出した。 「また来るよ。マスター・・・」 「いつでもいらしてください。待っています。」
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