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「今回はバグを一匹入れるんだ。そいつから情報と入りやすそうな侵入経路を伝えてもらうためにな。」
「なるほど・・・。」
ここは反政府を掲げた人間が集まる場所、sea:heaven。
それぞれが政府や特定の人間、技術に不満、あるいは恨みを抱いた者が集まる場所。
今この場に居る4人もその一員。
組織のリーダーは秋羅。
秋羅を中心に集まり、規模はどんどん拡大している。
「あと20分だ。」
誉がパソコンの時計を見て言った。
「鏡華。」
「はいはい。」
秋羅が鏡華に呼びかけ、鏡華も自分のパソコンの前に座った。
「誉、そろそろシンクロいくよ。」
「おう!」
パチンと腕に枷をはめる鏡華と誉。
シンクロとは、鏡華が生まれつき持っている能力。
いや、正確には生まれる前に人為的につけられた能力だ。
精神を他人や機械に入れることが出来る。
「いくよ。」
「来い!!」
バチッと一瞬空間が動いた。
「・・・はぁ・・・入ったよ。」
ふぅ・・・っと息をつく鏡華とは裏腹に、椅子に全体重を預けてがっくりと項垂れてピクリとも動かない誉。
誉の意識は完全にコンピュータ世界に入り、鏡華は精神の半分が入っている。
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