35人が本棚に入れています
本棚に追加
「はむっ…」
目の前で口を開けて二匹目のさんまを口にする美少女を横目で見ながら俺はため息をつく。
さっきまで空を飛んで…逃げ回っていた事なんか非現実的に思えて。
「うまー!やっぱりふぃしゅー美味し!」
本当に幸せそうに笑みを浮かべる美少女は、すっかり俺の存在を忘れているようだった。
「…あのな、なんで俺んち来たのか分かってんのか」
「…ん?………あぁ!」
「…忘れてたのか、」
差し出したハンカチを受け取って美少女は口を拭う。
「説明するね」
「おう」
「まず名前からがいいかな。私の名前は甘無(カンナ)。さっきも言ったけど、悪魔」
信じがたい言葉だけど、実際にさっき宙を舞う体験をした俺は唸る事しかできなかった。
「…さっき追ってきた奴らは?」
「あれは、天使」
「はぁ!?天使だと!?」
天使と言えば、あれだろう!?
ふわふわしてて幸せにしちゃうぞ、とか恋をお助け!みたいな感じの…。
「奴らはね、死んじゃった人間たちをコキ使ったりしてるの。悪い奴らなの」
「…天使、が…」
いや、そもそもおれは奴らの存在に驚いていてだな。
本当に天使だの悪魔だの、居る訳ないって思うだろう?
最初のコメントを投稿しよう!