崩壊への足音

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「兄ちゃん、ふぃしゅー獲りに行こ!」 「ふぃしゅー、魚ね。昨日いったばっかなのに?」 「うん!」 無邪気に笑う甘無は、コーヒーを啜る俺の腕にしがみつく。 頭の両方の触角を揺らしながら。 それは今朝も寝ぼけまなこな甘無に結ってあげたもので、今では毎日の習慣になってる。 「はいはい、じゃあ行こうか」 俺達悪魔が住む魔界は、至って平和だった。 人間界からは俺達悪魔は、名前の通り“悪”とされてるらしい。 でもそんなものは人間の勝手なイメージであって、実際に俺達悪魔が存在するとも思ってもいないだろう。 それと、人間界では愛されている“天使”。 実際、人間が思っている事とは真逆に成り立っている。 実際、死ねばわかると思うが何故天使がお迎えにあがるか。 死んだ人間は、奴等の元で延々と働く事になるわけだ。
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