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あちこちで項垂れる悪魔達を通り越し。通り越して。
牢屋の中央に俺達はたった。
一億といる悪魔の中で、俺達が持ってる最大の力。
そして、最も危険とされる力。
「…いくぞ、甘無」
「…うんっ」
手をかざしあい、息を深く吸う。
大丈夫だ。
「うおおおおおぉぉぉっ!」
「はあああああぁぁぁっ!」
俺達から溢れ出す、光を皆目を見開いて見ていた。
まだ小さなそれを、牢屋全体と広がるように俺達は更に思いを込める。
辛そうに足を震わす甘無が、紅の瞳を見開く。
「きゃっ!」
光が一気に広がり、牢屋全体を包み込むと淡い薄紅色の光を放つ。
「…甘無っ」
甘無の短い悲鳴を最後に、俺達は光に吸い込まれた。
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