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「ただいまー」
「おかえり!刹葵、悪いんだけどお魚買ってきてくれる?ママ買い忘れちゃって」
今日も結局、駄目だった…。
そんな事を考えながら玄関をあけると、明るい茶髪を揺らしながら笑顔を振り撒く母さんがいた。
いいよな、人懐っこそうで。
「…魚?てか母さんどっか行くの?」
「うん!ママね、先生さんにお食事誘われちゃったんだぁ!きゃあー!」
母さんは最近保育士を初めて、毎日楽しそうに保育園に通っている。
俺が産まれてから、保育士はやめたとかなんとか。
「はい、はいはい。何買えばいいんだ?」
「さんまー!それで、焼いて食べてねぇ。ママもう行くから」
「は!?」
なんと唐突な母親だ。
いつもながら深いため息をついて俺は再び玄関の戸を開けた。
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