運命は偶然に、突然。

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な、なんだ!? 「ふぃしゅー!ふぃしゅー!」 痛みに顔を歪ませながら俺は頭だけ起こしてみた。 …なっ、 「なっ、なっ…」 どういう事だ、これは。 なんの夢だ、これは。 「なっななん…」 俺のさんまをきらきらした瞳で見つめながら俺の体の上に覆い被さるように居る…… 「お、女の子…?」 俺がぼそっと呟いた一言に、女の子はぴくりと反応をした。 な、なんだ? いけない事言ったか?俺? 「違う。私は悪魔。分かる?いっつみーあくまー!」 「………は」 もしかして、あれか。 関わっちゃいけない子だったか。この美少女。 「大丈夫か?兄ちゃん」 俺を心配する魚屋のおじちゃんの声で我に反った俺は、急に恥ずかしくなってその場から離れようとした。 ……けど。 「う、な、なんだ…」 ガシッと、掴まれた腕を恐る恐る視界にいれる。 …案の定、きらきらを放つ瞳で俺を見つめるツインテールの美少女。 「ふぃしゅー…」 ふぃしゅー? もしかして、フィッシュの事か? 「…こ、これか?」 ぱっちりとした二重瞼に射ぬかれぬように目を逸らしながら聞いてみた俺に、美少女は声を明るくして「うん!」と言った。 年は15、6歳位だろう。
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