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「……き………沙輝。」 ふと名前を呼ばれて眠りから覚めた。 「やっと起きた。沙輝、英語の授業ずっと寝てたよ。」 「あー、昨日あんまり寝てないからかな。」 「駄目じゃーん。期末近いのに。」 高2の12月。 大学受験に関わる大事な時期だ。 まぁ、それはそんな時期に徹夜までしてドラクエをやっている私以外の人の話だが。 「絵実ノート貸してよ。」 「むーり。あたし今日勉強するもん。」 チョココロネのように巻いた栗色の髪の毛を弄りながら、小さく笑って答えた。 一見、仲が良さそうに見えるが所詮上辺だけ。 彼女が陰で私の悪口を言っていることを私は知っている。 .
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