プレゼント・フォー・ハニー

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「切ないなぁ……」  ぽつりと呟いた悪友、シロの言葉に、俺様はこたつからぴょっこりと顔を出した。  窓の外は清々しい程の青空だ。  白い窓枠に行儀よくちょんと座っているシャム猫のシロ。俺様の良きライバルである。  冷たい北風が、小花柄の淡いピンク色のカーテンを揺らし、俺様の耳をツンと撫でていく。 「寒い。とりあえず窓閉めろ。……まぁ、入れよ」  俺様は寒いのが大嫌いだ。  シロは器用に前足で窓を閉め、俺様が入っているこたつの上にトスンと華麗に着地した。  ふわふわとした質の良い毛並みが揺れる。 「おい、毛を落とすなよ。華(はな)に浮気だと勘違いされては困るからな」  俺様はこう見えて主人一筋だ。いい女のケツを見てはホイホイ着いていく遊び人のコイツとは一味違う。 「へいへい」  シロは呆れた様子でペロリと前足を舐めた。
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