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ぴょんと洗濯機から降りた彼は、軽い足取りでどこかへ行ってしまった。
シロのくれたヨレヨレの切り抜きと鏡の中の自分を見比べては頷く俺様。
シロは数分後に軽快な足音を立てながら戻ってきた。
何やら水色の長い布を引きずっている。
「これやるよ。餞別」
「何だこれは」
俺様はシロが持ってきた蛇のような布を、訝しげに凝視した。
シロはニャハハと笑い、「ネックタイだよ」と半ば誇らしげに言う。
「ネックタイ?」
「男がデートとかするときに首に付けるらしいよ。俺が付けてやるよ」
動揺を隠せない俺様のことはそっちのけで、シロはネックタイという水色の蛇を俺の首に巻き付けていく。
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