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いいんちょうは こんらん している
じゃなくて!
ヤバいヤバいヤバいコレはヤバい。視界が白くなってきたし、世界が遠ざかる感じがする。落ちる。落ちるって。
仕方ない……
「……っ委員長、スマン!」
女子特有の細い手首を掴み、ブレザーの襟に手をかけ腰を落とす。背中にある柔らかい感触にちょっと恥ずかしくなりながら、そのまま背負い投げの要領で委員長を宙に放った。
床に落ちる瞬間、襟を掴んでた手を離し彼女の背中に入れて抱き止めるが、足だけは押さえきれなくて遠心力のままに床にぶつかっちまった。
衝撃か、痛みか、あるいはその両方か。委員長の顔が小さく歪む。
「……スマン」
ホントはあんまり使いたくない手ではあったけど、背に腹は代えられないし俺も死にたかない。それでも、女性に手を出してしまった事実は変わらなくて、罪悪感が……
委員長はしばらく顔を歪めていたが、やがて片目を開けて弱々しく呟いた。
が、小さすぎて聞こえない。
「……何?」
耳を近付けると、
「我を失ってた。ゴメン。
……けど」
けど?
「覚えてなさい」
我がクラスの委員長は、それはそれは恐ろしい人だと判明した夕方だった。
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