弟は尋常じゃなく…おかしい

2/3

68人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
「陽南!ひーな!ねぇ…陽南っばぁー!!」 朝っぱらから…相変わらず元気がいい私の弟、冬麻は私の名前をひっきりなしに呼んでいる。 …うるさいしぃ 「陽南!ねぇ!!」 もぅ…… 「陽南…」 少し可哀想になったので 「…なんだよ。」 冷たく言うと、いつもの笑顔を見せてこう言った。 「陽南!おはよー♪」 …それだけ? 挨拶の為にこんなに私の事を呼んでたなんて… 「…てか、陽南って呼ぶの辞めようよ。なんかこう…姉ちゃんとか姉貴の方が理想的なんだけど…」 私が1番気にしてることを初めて口に出した。 私…あいつの姉なのに、なんで呼び捨てにされなきゃいけないの 分かったって言って! 私の弟だから、絶対分かってくれるはず 「う~ん…ヤダ☆」 … 何なんだ…あり得ない。 「お願いだから、辞めて」 「だって…俺さ、陽南って名前大好きなんだ☆」 …えぇ… 流石に弟に言われると嬉しいどころか…ははっ 「…あっそうですか…冬麻君」 「水くさいな…俺も陽南って呼んでるんだからさ、陽南も冬麻って呼んでよ♪」 私…お前に陽南って呼んでって頼んでないよ… 「分かったよ。冬麻」 そう言うと…弟の顔が…笑った。 「もぅ…陽南可愛すぎ!!」 弟は私に抱きついてきた。 やはり…弟に抱きつかれるなんて、地獄に落ちることより辛い…みたいだ 「…辞めろ。我が弟よ」 「だから…冬麻だってば!」 「知るかっ!放して!」 「ヤだぁ(笑)」 こうなったら、最終手段…決行 「…放さないと…冬麻って呼ばないから。」 私が笑いながら言うと弟は、サササッ!と私から離れた。 「良くできましたぁ。冬麻さん」 「だから、冬麻だって!!」
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加