弟は尋常じゃなく…純粋だ

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「あ、うん…冬麻も早く手を」 「俺いらねぇ…食欲わかねぇ!」 冬麻はそう言うと子供みたいに拗ねながら…ふてくされながら…階段を登り自分の部屋に込もってしまった。 え……どうしたの冬麻…… 私は、何故か胸が苦しくなった。 心配で…私は無意識のうちに冬麻の部屋の前にいた。 ノックしたくても手が自分の思うようにいかない… だって…もし入ってくんな…とか言われたらショックだから… でもこのまま放っておけない!!私は意を決してドアをノックした 「誰?」 まるで別人と疑うような冬麻の低い声が聞こえた。 聞いた時、ビクッ!っとなった。けど… 「ひ、陽南…だよ」 冬麻がずっと…こんな感じなのは嫌だから!! 「入ってくんな」 グサッ!!胸にナイフが…うぅ…ズバッと言われるとグサッと来るなぁ… 「なんて言うわけないだろ」 「え?」 な、何を言ってるんです冬麻君… 「入んなよ」 「あ、うん!」 ドアノブをひねり押すとガチャリと音をたてながらドアは開いた。 「何?」冬麻は暗い顔をしながら私を見て言った。 「冬麻…ごめん!!」 私…謝らなきゃ…そのことしか頭になかった。 …でも 「何の事?」 冬麻は不思議そうな顔をしながら私に言う。 「いや、冬麻なんか怒ってるから…」 「陽南には怒ってないよ」 「じゃあ、どうして怒ってるの」 私は疑問に思ったので聞いた。
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