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⛄
「ただいまぁ」
俺は今、無事に陽南に会え二人で家に帰ってきた。
あの時に待ち合わせ場所で自分がやってしまった事を思い出す…
俺…陽南にキス…
考えただけで恥ずかしくなる。
その事で顔を真っ赤にしていると
母さんがそれを邪魔するかの様に俺の名前を心配そうな声で言った
冬麻という声を聞いただけで、俺の事をどれだけ心配していたか、分かるような気がした。
ただ…ここまでは良かった。
でも、このあと母さんから
「陽南が待ち合わせ場所に来なかったら帰ってきなさい」
と言われたとき
あぁ…母さんは簡単に約束を破ることが出来る人だったんだ
そう思ってしまった。
俺は、約束を破ることが大嫌いだ
でも母さんはそれを聞こうとはしなかった。
…何で…何で聞いてくれないんだよ…。
初めてその時、俺の話を聞かない母さんを嫌いと思ってしまった自分がいた。
晩御飯にしようと言われたら、いつもなら手を洗わずに椅子に座ってしまうが、今日はそんな気分になれなかった。
「俺いらねぇ!食欲ねぇ!」
俺は無意識に言葉にしていた。
…かっこわりぃ…
俺が階段を登ってる姿はまるで、ふてくされた子供みたいだったんだろう。
部屋に入ると俺は心底深くて、黒いため息をついた。
マジかっこわりぃ…
こんなことをしている自分が恥ずかしく思えた。
ーコン…コン
ドアを誰かがノックしている。
母さんかな…
「誰?」
陽南だった
その声は怯えてるように聞こえた
でも陽南が来てくれた事が凄く嬉しかった。
でも…俺はそのとき何を言った?
照れ隠しのつもりかよ。
なにカッコつけてるんだよ…俺
部屋に入る許可を出すとすぐにドアが開いた。
「何?」
俺は少しイラついた声で言ってしまった
どうせ、早く飯食べないと片付け出来ない💢💢とか言うんだろ…どうせ。
その時、陽南の口からごめんという言葉が出たのはびっくりした。
冬麻が怒ってるから……
俺の事を心配してたのか?
陽南の顔を見るとホントに心配そうな顔をしていた。
…俺…少しは期待していいのかな
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