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「…冬麻…あのさ…」
「ん?何?」
「あのね…ここ私の部屋」
「うん!分かってるよ♪」
「だから、出てけ」
「う~ん…ヤダ☆」
「…貴様ぁ~!!!」
私は冗談で机の上に置いてある広辞苑を弟に投げつけるふりをした
「陽南!ご、ごめん」
「じゃあ、出てけ!」
「はぃ~」
弟は慌てて階段を降りていった
「…たくもぅ」
…早く着替えなきゃ
>ピーンポーン
インターフォンが鳴った
ヤバい!もうそんな時間!?
「陽南ぁ!海斗君よ!」
お母さんの高い声が耳に付く
「はぁーい」
私は、慌てて身支度をする。広辞苑を床に置きっぱなしのまま部屋を出た。
階段を降りると、私の彼氏の海斗が玄関のところに立っていた。
「遅くなってごめんね!」
「全然♪大丈夫だよ!」
海斗はそう言うとニカッと無邪気な笑顔を見せた。
私はそんな無邪気な顔を見せる海斗の事が大好きだ。
「じゃあ、行こっか♪」
「うん!」
すると
「陽南!!」
後ろから恐ろしい声が…
「何?冬麻」
「今日は一緒に出かけるんだから早く帰ってきてよ!!」
「はいはい。分かったよ」
「あっ!ちょっと…陽!」
私は弟の声を聞く前に外に出て玄関のドアを閉めた。
「海斗…ごめんね?なんか…」
「ううん。仲良いなんて羨ましいよ。」
「そうかなぁ…」
弟の話をしながら、学校へ向かった。
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