退屈な日常から

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高校三年生 ある人には受験生と ある人には最高学年と ある人には青春も最後だと 僕は言われる だが、そんなの関係ありはしない 俺は俺自身の道を行くだけ でも、それなりには後々のこと考えてる めんどいから、それなりだけどね 彼はクラスの教室から外を眺め、ボーっとそんなことを心の中で呟いていた。 彼の名前は、大野孝一【オオノ コウイチ】 ごく普通の底辺高でもなく かと言って進学校でもない公立の奈瀬高等学校【ナセコウトウガッコウ】に通っている。 入学した理由は中学時代の担任に勧められたから 単純な理由である。 彼は受験を面倒くさがり 当初は最底辺と言われる高校に進もうとしていた。 しかし、いくらなんでもその高校が彼には不釣合いすぎたために担任が奈瀬高等学校への受験を勧めたのである。 それを言い返すのも孝一は面倒くさがった。 そして、結局奈瀬高等学校を受験し合格した。 (・・・・・何でこんな学校受験しなければならない。高校なんてどこ入ったって同じじゃないか。だったら楽させろっての。) そう思い入学してから二年を過ぎ、三年目。 相変わらず、退屈な日々であった。 孝一はクラスを眺め始めた。 (・・・・・つまんねえ。やりたい奴がどうせ委員長とかするんだろ。) クラス委員を決める始業式後のHRを見ながら孝一は思った。 孝一は楽そうという理由で、今年度から新たにできた舎内保安委員会【シャナイホアンイインカイ】という委員会に名前を書き、立候補した。
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