3人が本棚に入れています
本棚に追加
夕日が沈もうとしている。今日で三日目だ。風に揺られるカーテンが、冬の訪れを告げている。
「ああ、もう。 頼りにならない男だね。 それでも副部長?」
葉子が席を立った。カーテンがサラサラと鳴ることが気に障ったのか。勝手に戸締まりを始めた。
「もう止め。 また明日ね」
「待った。 もう三日目だ。 あと公演までどのくらいだと思ってるんだ。 時間がないんだぞ」
葉子の元に駆け寄ると、葉子は目をつり上げて俺を睨み付けた。
「仕方ないじゃない、下校時刻だもの。 そんなこと言うなら、明日までにちゃんとした答えを考えてきてよね」
「あ、ああ」
何も言い返すことが出来なかった。なぜなら、葉子の意見は妥当なのだから。
最初のコメントを投稿しよう!