あきらめたい

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「残念だけど、この劇の結末はバッドエンドになりそうね」  そうか、ハッピーエンドにはならないのか。締め括りとしての後味は悪い。でも、仕方ない。葉子は最初から分かっていたんだな。 「ほら、副部長。 台本」  葉子は迫ってきて、きちんと端をクリップで止めた台本を手渡してきた。なんてことだ、ここまで見越して用意してあるとは。さすがは、部長だな。  裏表紙で渡された白色の台本を表にした。タイトルは『卒業』と書いてある。  卒業とはいったい。平和や言葉と関係ないだろう。
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