あきらめない

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「だけど、だからこそ、試してみたいと思う、私の平和を。 そのためには副部長、いや、啓太。 アンタの力も貸してよね。 もともとアンタの案なんだから」  葉子は、台本に目を通すように俺に指示をした。  卒業。  卒業とは、離れ離れになること。だけど、もっともみんなの気持ちが一つになるとき。もう会えないかもしれないって気持ちが、私たちの結び付きをより一層強くする。  言葉。  きっと、これが最後の言葉。だから、お互いに嘘はつけない。本気で言い合う。もう会話することもないかもしれない。だから、お互いを思いやる。最高の別れにしよう、嫌な記憶なんて植え付けたくない。  言葉は必要。言わなければ何も伝わらないから。とある卒業後の告白と同じ気持ちで、私は愛を込めた餞別の言葉を、みんなへ。
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