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闇に悲鳴が響く――
母さんが腹を痛め、長い事頑張ってやっと、あたしは母さんの体からするりと抜け、血にまみれた草の上に出た。
生まれて初めての空気を吸い、その冷たさに驚き泣く。
隣で弱々しい声で笑い、あたしを抱き上げ喜んだ。
あたし達は土砂降りの雨にうたれている。
雨が、あたしのシワだらけの温かい肌から血を洗い流してくれる。
綺麗になると母さんはできるだけあたしの体をかばってくれた。
疲れきっている母さん。でも休んでいられない。母さんはあたしの額にキスをして溜め息をし……やっとの思いで立ち上がると雨の中、フラフラで歩いて行った。
あたしを置いて――――
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