8.あの子を探して

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「私はクラスも違うし交流もないから、あまりあの子のことは知らないわ」 薄々そうだとは思っていた。 チサトは可憐がエヴェレットのターゲットになっていると言ったとき、あまり彼女のことを心配しているようには思えなかった。 どちらかというと、近くにいる人間がターゲットになったことで、捕まえるチャンスだと思っていたのだ。 可憐と親友なら、普通そんな風には思えない。 僕が叔父がエヴェレットに殺されたかもしれないことにあまり怒りを感じないように、チサトも可憐が狙われていることに怒りは抱いていなかったのだ。  
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