黒髪のカレ。

2/6
前へ
/38ページ
次へ
――そして、今に至る。 ……キ…ス? 確かに、唇に柔らかいものが触れた。 夢なんかじゃない。 まだ感触が残っている。 それと、少しの微熱。 それに―― 「甘い…香り…」 どこか懐かしいような、そんな匂い。 ―――誰かが私にキスをした。 私は自分の唇を指でなぞる。 どこの誰かわからない人に、ファーストキスを奪われて嫌なはずなのに―― 私の胸はなぜか高鳴っていた。 熱のせいか、他の理由かわからないけど、顔がさらに赤く、熱くなった。 「あれ…?」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加