Episode 5 学年対抗バトルロワイヤル (予選編)

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「これをもって結果発表を終了する。驚く事に全てのバッチが彼等の手元にある。しかも1組と2組の独占だ!」 1組の担任は自分のクラスから2人も代表選手が出たのが嬉しかったのか、満足そうな表情で大吾とシリウスを見る。 遠くで壁にもたれかかりケータイを弄っている職務怠慢教師は、やはりケータイを弄っていた。 「これをもって、学年対抗バトルロワイヤルの予選を終了する。選抜選手はこの後、詳細説明があるから残ってくれ」 「「はーい」」 何人かの生徒が反応し、順次第一訓練場から出ていく。 中には悔し涙を流す者や、オレ達に憎しみの視線を向ける者も何人かいた。 数分後には、早川先生とオレ達6人だけが訓練場に残されていた。 ケータイを閉じポケットに滑り込ませた早川先生はまずはオレ達の前に立つ。 「よう。まぁ、予選通過は当たり前だし特に祝う事は無いか」 味気ない話しの内容を、わざわざ装飾することなくストレートに言う彼はある意味尊敬に値する。 さっき早川先生がこの1年のバトルロワイヤルの担当であることを聞いた。 他の教師が消えたからか、ネクタイを緩めだらし無くスーツを着崩す。 その動作はいつも見慣れている為か気にはならない。 今オレ…いや、オレ達が気になっている事はバトルロワイヤルについてだ。 ようやく、早川先生がポケットからメモを取り出し面倒臭そうに眺める。 「ん、じゃあ軽くバトルロワイヤルについて説明すっぞ」 メモをポケットにしまい全員の顔を見回す。
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